HARD BOILED CAFE

ハードボイルド探偵小説に関する本の紹介。チャンドラーの翻訳にまつわるエッセイ等。

2015-08-04から1日間の記事一覧

『大いなる眠り』第4章(6)

<私は椅子のひとつに体を伸ばし、灰皿スタンドの上の丸いニッケル・ライターで煙草に火をつけた。彼女はまだ立っていた。歯で下唇をかんで、なんとなく困ったような目をしていた。ようやく頷くとゆっくり振り返り、コーナーの小さな机の方に歩いて戻った。…